タイポグラフィーをヴイジュアル・コミュニケーションのシステマティックな基本原理にまで純化したのが、1950年代のスイス・タイポグラフィーであった。この展覧会は、このスイス・タイポグラフィーのポスターを中心に、その周辺とその前史としての1920年代以降のニュータイポグラフィーの作例とで構成された。チューリッヒ造形美術館と一部アムステルダム・ステデリック美術館の協力によって、多くの名作に直接触れる機会となったことは大変な幸せであった。多くの若い世代の人たちにとっても誠に新鮮な体験であったという。 向井周太郎