今年4月、東京日仏学院で催された『詩人たちの春:ポリフォニー』で共演を果たした音楽家の渋谷慶一郎と芥川賞作家の朝吹真理子。ふたりは普段、SkypeやSMSでチャットをするような気の置けない間柄だという。言葉を持った音楽家と音楽を愛する作家は、チャットでどんな言葉を交わしているのだろうか。「Chat」の本来の意味は「雑談」。反射的に発せられとどまることのない「会話の言葉」でもなく、時間をかけて記され構成される「書簡の言葉」でもない。その挟間にあって「損なわれていった言葉」を覗いてみたい。2011年5月某日の夕食後、互いの自宅で始まったSkypeでの「雑談」は興味の赴くまま深いところへ流れていった。 「がんじがらめ」っていう言葉が似合う人だよねw。(渋谷) やだー。自由がいい。(朝吹) ―そもそも2人はいつごろお知り合いになったんですか? 朝吹:はじめて渋谷さんにお目にかかった日は、『流跡』と
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