料理人としても腕をふるう東京農業大学研究員・松本栄文(さかふみ)さん(30)(東京都)が、1頭の松阪牛が名店のすき焼きになるまでをつづった「SUKIYAKI(すき焼き)」を出版する。 松本さんは「松阪牛に携わる人たちの伝統を守ろうとする熱意を感じてほしい」と話している。 松本さんは全国の農家を歩いて食の研究をしている。2007年11月、松阪牛の肥育農家・森本武治さん(64)(三重県松阪市)が牛に名前を付けてかわいがる姿を見て、「これほど肉牛を大切にしている農家は見たことがない」と感動。4年間にわたって取材を続けた。 森本さんが手塩にかけて「てるよし」(メス)を育てる様子や松阪牛の定義、老舗料理店に競り落とされて料理となるまでを、写真をふんだんに使って紹介している。 松本さんは「松阪牛がいかに多くの人から愛情を注がれ、大切に育てられたかを伝えたい。なぜ、全国トップクラスの味で人気があるのか分