中国新疆ウイグル自治区でウイグル人が収容された施設の内部写真や収容者リストなど中国当局の内部資料数万件が流出し、世界各地で弾圧の実態を告発する元収容者らの証言が裏付けられた形となる。ただ、日本で暮らすウイグル人の心境は複雑だ。証言に懐疑的な一部の見方を打ち消した一方、同胞が直面する凄惨(せいさん)な迫害は目を覆うものだったからだ。「証拠」が出たにも関わらず、ウイグル人迫害に関心が高まらない国会などの様子にも心を痛めている。(奥原慎平) 「ウイグル民族がジェノサイド(民族大量虐殺)を受けている事実が、誰も否定できない形で立証された。中国に対し、否定的な態度をとるのは犯罪を助長するのと同じではないか」 日本に帰化したウイグル自治区出身のグリスタン・エズズさんは産経新聞の取材にこう語った。 資料は自治区カシュガル内の公安ネットワークからハッキングしたもので、米非営利団体「共産主義犠牲者記念財団」