目次 序 第一章 一部形式 第二章 二部形式 第三章 三部形式 第四章 複合三部形式 第五章 変奏曲形式 第六章 ロンド形式 第七章 ソナタ形式 第八章 カノン 第九章 フーガ 第十章 多楽章形式 序 既に明確な楽式を持たない音楽が氾濫している中にあって、 今更ながら古典的な楽式を学ぶ必要があるのかと問われるかも知れない。 しかし学ぶ意義は充分にあるだろう。 例えば歴史として見なせば、 いにしえの楽聖らの作品を理解する術ともなるし、 それは同時に近代以降の楽式にとらわれない音楽への理解にもつながるだろう。 また楽式に従いつつ新たな解釈によって、 創作としての材料に使うことも依然として可能である。 要するに発想の素材の一つとして、 楽式論を吸収することは決して無駄ではないのである。 本書は最も中核となる基礎的な楽式のみを用い、 従来よりも柔軟な姿勢で分析を進めて行く。 読者がそれぞれに工夫を