ですが、実は、前回6年前となる2017年の推計時点での数字とほぼ大差はありません。それどころか、前回推計された2070年の総人口(約8320万人)より、今回のほうが若干増えました(いずれも中位推計による)。 これは決してこれから出生数が伸びるからではありません。むしろ、出生数推計は前回からさらに下方修正されています。それは間違ってはおらず、人口動態推計の特に出生数の予測はもっとも精度が高いものになります。なぜなら、出産対象年齢の人口に応じて出生数は確定するからです。 出生数推計は減っているのに、将来推計人口は前回予測よりも増えている。これは一体何を意味するのでしょうか。 「少子化対策は無理」という本音が透けて見える 日本においては、1990年代後半に第3次ベビーブームが起きなかった時点で、現在の出産対象年齢の女性の絶対人口そのものが減っています。私はこれを「少母化」といっており、政府がどれ