安倍晋三首相が憲法改正を「在任中に成し遂げたい」と発言して以来、憲法改正論議が過熱化してきた。改正反対派はすでに緊急事態条項の阻止に狙いを定め、ネガティブ・キャンペーンを展開している。このまま手をこまねいていたら、憲法96条(改正条項)のときと同じ轍(てつ)を踏みかねない。 国民の不安を煽り立てる反対派96条改正論議が盛り上がったのは平成24年12月、第2次安倍内閣が登場した頃からだった。世界で一、二を争うほど厳しい改正手続きをフランス憲法並みに緩和し、憲法を主権者国民の手に取り戻そうというだけなのに、反対派はデマやレッテル貼りを行い、改正の動きを止めてしまった。 「九六条の会」(代表・樋口陽一東大名誉教授)は「96条改正は憲法の破壊」と主張(東京、平成25年5月24日)、石川健治東大教授も「立憲国家への反逆」であり「革命」であると述べている(朝日、同年5月3日)。また小林節慶応大名誉教授
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