一日中休まずに何かを針金で巻く人がいると言えば、おそらく大半の人々は、「その人は頭がおかしい」と思うはずだろう。ところが、このような巻く労動を芸術に昇華させた若い彫刻家がいる。 彫刻家の朴スンモ(36・下の写真)氏は退屈に繰り返される針金巻きで作品を作る。彼の独特な想像力と執拗な労動の結果である「巻いた作品」は、美しさとともに「事物の本質」という哲学的な質問を投げかける。 彼は、本物の大きさのグランドピアノとコントラバス、長さ15mのカヌー、ビーナス彫像、自転車、ロッキングチェア、すき、風炉、仏像、仏頭像など、我々の周辺にある多様な事物を太さ2mm〜8mmのアルミニウムの針金でぎっしりと巻いて風呂敷のように「覆ってしまう」。 展示場で会う彼の作品のうち半分ぐらいは、針金の中に覆われたのが何なのかまったく見当がつかない。作品の横の実際の名前を見て初めて、「あっ、そうか」とうなずく。 世の中の