1911年(明治44年)、東京市京橋区竹川町(現東京都中央区銀座)の洋酒問屋「大野屋」に生まれる[6]。父方の祖母の手で育てられる。「れいこ」と名付けたのも、「蓮以子」という漢字をあてたのもこの祖母とのこと。北林はこの祖母を終世愛し、強い影響を受けた[7][8]。 幼いころから家族に連れられて寄席、芝居、映画に親しみ、家にあった円本全集等、多種多様な大人向けの本を読みふける。1920年(大正9年)、第一次世界大戦の戦後恐慌の折に銀座の店舗兼自宅は取引先の銀行に取られ、木挽町に転居。1923年(大正12年)、小学6年生のとき、関東大震災では実家は焼けて火事の中を逃げまどい[9]、虐殺された朝鮮人の遺体を見て強い衝撃を受ける[6]。被災後、実家はさらに傾いていく。1929年(昭和4年)山脇高等女学校を卒業。 築地座の舞台を見て演劇に惹かれ、新劇女優を志し1931年に創作座の研究生となる。193