買物依存症、ホストクラブ通い、整形手術、デリヘル嬢になったかと思えばSMの女王に――。自らを暴き立てるかのように書き続けてきた中村うさぎが、はじめて他者との関わりを書いた私小説『狂人失格』(太田出版)。 「京大のマドンナ」を自称し、臆面もなく「私は作家」と言い張っては、ネット上でツッコまれまくっている”電波系”ネガティヴ・アイドル、優花ひらり。彼女に「共著で本を出しませんか?」と、著者が持ちかけたのを発端にして巻き起こった一大騒動。その騒動の渦中で著書が見たのは、自意識にがんじがらめになった、女たちの鏡地獄だった。嫉妬、羨望、コンプレックス、自己顕示欲ーー女性特有の自意識とは? 著者・中村うさぎに訊いた。 中村うさぎ(以下、中村) これまででいちばん醜悪な作品だと思う。書かれてある私自身も優花ひらりも、その経緯も、すべてね。私はさんざん自分のキタナイところを排泄物みたいに出しては見せてきた