韓国・釜山の日本総領事館前に市民団体が設置した少女像が、慰安婦問題の解決をうたった2015年末の日韓合意に違反するとして、日本政府は1月6日、駐韓大使の一時帰国や日韓通貨スワップ協議の中断などに踏み切った。 一夜明けた韓国メディアは、大統領の職務停止や世論への配慮で韓国政府が身動きの取れない中、日本側の措置を「超強硬措置」(ハンギョレなど)、「断交の一歩手前」(朝鮮日報)と驚き、外交当局が板挟みで苦悩する様子を伝えている。
論壇誌「アステイオン」85号(公益財団法人サントリー文化財団・アステイオン編集委員会編、CCCメディアハウス、11月29日発行)は、「科学論の挑戦」特集。同特集の埴岡健一・国際医療福祉大学大学院教授による論考「『科学』はどこにあるのか?――科学技術政策の『忘れ物』」から、一部を抜粋・転載する。 同特集の責任編集を務めた中島秀人・東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授は、福島の原発事故への科学論者の対応の鈍さを例に挙げ、「現実社会から切り離された『科学論』も危機にあるのではないか」と巻頭言に記す。そして特集の1本目となるこの論考で、埴岡氏は科学技術政策の評価をテーマとしている。 埴岡氏は「科学技術」の科学と技術を別に扱う仕組みが確立されていないことを問題視し、議論の整理のため、「科学は真実の探求を旨とし、技術は社会での利用を旨とする点」を分水嶺として、科学を「科学的科学」と技術寄りの「科学
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