執筆者 白井 洋一 1955年生まれ。信州大学農学部修士課程修了後、害虫防除や遺伝子組換え作物の環境影響評価に従事。2011年退職し現在フリー 農と食の周辺情報 白井 洋一 2021年7月5日 月曜日 前回(5月3日)の当コラム「欧州 ゲノム編集応用作物の規制を再考 世界標準に従う方針」で、欧州連合(EU)も、今までの頑固な反遺伝子組換え(GMO)路線から、ゲノム編集など新しいバイオ技術は前向きに考えようという方針を示したことを紹介した。 しかし、すぐに、「外来遺伝子を導入せず、小規模な変異誘導だけのゲノム編集は規制せず、商業利用を認める」という動きにはならない。秋以降に政治的な交渉が本格化するが、EUの行政府である欧州委員会はウェブセミナーで様々な普及活動を続けている(EurActiv, 2021年6月22日)。 EUは2020年5月にグリーンデール(2050年までの温室効果ガス排出ゼロ