中国税関当局が日本からの輸入水産物に対する全面的な放射線検査を始めた問題で、現地の日系5社が輸入した大量の鮮魚などの水産物が中国南部の税関で留め置かれたことが20日、分かった。検査に時間がかかって鮮度が保持できず、計1億円の被害が出る恐れがある。日中関係筋が明らかにした。 中国には日本から水産物を輸入する拠点が何カ所かあり、今回判明したのはその一部。被害は拡大するとみられる。 中国では日本の鮮魚が入手できなくなり、他国産に切り替える飲食店も出ている。日本側の輸出業者や漁業関係者に損害が広がることも懸念される。 関係筋によると、中国南部で留め置かれているのは冷蔵品の鮮魚など。通関に時間がかかると商品として販売できなくなる。中国は福島第1原発事故を受け、福島や長野など10都県産の水産物を含む食品や飼料の輸入を停止した。(共同)