演劇や小説、映画など、フィクションを楽しむ娯楽や芸術は古くから多岐にわたって存在していた。1970年代後半以降に普及したビデオゲームは、プレイヤーの能動的な関与によるシステムとのインタラクションにより、フィクションの世界へより深く没入できる点に特徴があると言われている。本インタビューでは、美学の視点からビデオゲームを研究する松永伸司氏に、ビデオゲームの表象と受容における特色や、プレイヤーがどのような構造によって虚構と現実の狭間に存在するゲーム世界を体験するのかについて伺った。 美学の視点からビデオゲームを研究する理由── まず松永さんのご研究内容について伺えればと思います。また、美学についての解説も簡単にお願いしてよろしいでしょうか。 松永:私の専門分野は美学で、その視点からビデオゲームを中心とした現代のいろいろな文化の特徴を考えるということをやっています。美学は哲学の一分野ですが、扱う対
![92 ビデオゲームの虚構と現実 〜 美学者 松永伸司 インタビュー|雑誌『広告』](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/0a77d969160c47099faffd9839d63d10af9b8aeb/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fassets.st-note.com%2Fproduction%2Fuploads%2Fimages%2F78661366%2Frectangle_large_type_2_6a5bdfbd0b1a02e611091d0213b86733.jpg%3Ffit%3Dbounds%26quality%3D85%26width%3D1280)