ブックマーク / nojob.hatenablog.jp (15)

  • 後悔は積み重なる - 中年、無職、写真を撮る

    遠方で一人暮らしをしていた叔父が亡くなった。いわゆる孤独死だった。 幼いころはかわいがってもらったのに、疎遠になっていたことをいまさら悔やんでいる。ありがとうを言えるあいだに伝えておかないといけないとわかっているのにできない。そして後悔は積み重なる。 幼いとき、自転車に乗れるようになったのがうれしくてあちこちへ行った。ある日、自宅からそう遠くないところだったけれども、自転車で転んで一人で盛大に泣いていた。すると制服を着たお姉さんが通りかかり、僕のそばに来て、大丈夫?と声をかけてくれた。ほっとした僕はいったん泣き止んだ。 ところが、かがんで僕を慰めてくれるお姉さんの胸元に大きな青い痣が見えた。こともあろうに、それまでそんなものを見たことがなかった僕はまたわんわん泣き出してしまった。 その後のことはよく覚えていない。泣きながら逃げるように自転車で家に帰ったと思う。ありがとうも言わずに。お姉さん

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    k10no3 2023/08/14
  • 砂場あそび - 中年、無職、写真を撮る

    荒れ果てた両親の家の庭の片隅に、かつて砂場だった場所がある。 砂遊びが大好きだった私の息子のために、父が作った。 レンガで囲われた小さな砂場は、息子のお気に入りの場所だった。使い古しの鍋やジョウロで時間を忘れてよく遊んだ。 あれから10年近い時間が過ぎた。 両親がここで暮らす時間はおそらくほとんど残されていない。 幸せだった日々は平等に過ぎ、そして忘れられていく。 人生は捨てたもんじゃない、そう思う。しかしそれでも、人生は残酷だ。

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    k10no3 2023/06/29
  • あじさいの花 - 中年、無職、写真を撮る

    花が好きだった母が元気なときに植えたあじさいの花がいま庭のあちこちに咲いている。 母の手を引いて見に行ったら、綺麗ねと言って嬉しそうにしていたけれど、もちろん花の名前は思い出せなかった。 両親がいなくなったあと、この庭をどうしたものか、どこまで管理できるか心許ない。 なにもかも不安で仕方がない。

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    k10no3 2023/06/28
  • 神秘体験 - 中年、無職、写真を撮る

    地下鉄サリン事件で逮捕され、その後死刑執行された広瀬健一という男がいる。 彼のことはWikipediaにとても詳しく記述されている。 https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%BA%83%E7%80%AC%E5%81%A5%E4%B8%80 多くの人命が奪われ今なお後遺症に苦しむ被害者もいるので、言葉を選ばないといけないのだけれど、少なくとも、私は自分のことを彼より善人だなどとは思えない。私は捕まってはいないけれど、条件が揃えば彼と同じようなことをしでかしたかもしれないという恐怖が、私の中にはある。 彼を含め多くの場合、オウム真理教に傾倒していく過程に神秘体験があった。 マントラを延々と唱えたり、断したり、水中クンバカをやったりという修行の他にも薬物を使うこともあったとされているけれど、とにかく彼らは我々の日常とは異なる精神世界を見てしまった。 実は私は宗教

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    k10no3 2023/06/15
  • 肩書と学歴 - 中年、無職、写真を撮る

    振り返ると、出世や肩書にこだわる人を、私はおそらく心の何処かで馬鹿にして生きてきた。 そういう人の多くが実力以上の評価を求めているように私の目に映ったということもあるけれど、根的には私の驕りがあったのだろうと、今は思う。 私は、何をやってもそれなりにできる、飲み込みの早い子供だった。受験もうまいこと乗り越え、世間的には難関とされている大学にすんなり合格して、卒業した。 難易度的には地域トップではなく2番目の大学だったけれど、それでも、日は紛れもない学歴社会で、自分がその恩恵を蒙る側だったのだと思い知った出来事がある。 私はいわゆる就職氷河期世代で、企業が新規採用を絞っていたため、学生が企業に資料を請求しても断られる、そういうニュースが報じられていた。にも関わらず、リクルートだかどこかの、自宅に届いた資料請求ハガキに出来心で大学名諸々を書いて返送したら、段ボール箱2箱分、錚々たる大企業の

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    k10no3 2023/06/06
  • 折り返し点はとっくに過ぎている - 中年、無職、写真を撮る

    人生はやり直しの利かない一度きりのものだということが今頃になって怖くて仕方ない。情けない話だと思う。私は当にちっぽけな人間だ。 日々をふらふらと過ごしながら、それでもこの自分が生きた証を何かしら残したいなどと心の何処かで願っている。ならまず働けよと、普通は思うだろう。 無知で煩悩にまみれている状態を仏教では「無明」というらしい。私にふさわしい言葉だと思う。どうしようもないダメ人間であることを自覚していながら、それでも人生の最期には皆にいい人だったと言われたい。出来る奴だったと言われたい。 人生は短いと、偉大な先人は言った。そのとおりだと私は思う。

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    k10no3 2023/06/04
  • 老いるということ - 中年、無職、写真を撮る

    いつもの場所で日没を撮って帰宅したものの、駐車場から眺めた雲の形が気に入ったので、引き返して撮った写真。 両親の老いていく姿に、私は自分の将来を見る。 今日も母は朗らかに生き、しかし、私の名前を思い出せなかった。 遠くない将来、父も母の後を追うだろう。そしていつかその日は私にも訪れる。 幸せな一日が過ぎるごとに、一日分だけ別れが近づく。誰もが同じく。 そのことを意識して日々を生きられる幸運に今は感謝している。

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    k10no3 2023/05/25
  • 日没を眺める - 中年、無職、写真を撮る

    水田のリフレクションを楽しめるのは一ヶ月程度。 カエルの合唱に包まれながら日没を眺める、贅沢な日々。

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    k10no3 2023/05/22
  • また無職になった - 中年、無職、写真を撮る

    2023年3月末、5年ぶりに、また仕事を辞めるというイベントを通過した。 生活の不安と引き換えに手に入れる自由な時間はとても貴重だと思う。

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    k10no3 2023/04/25
  • 後世に残すもの - 中年、無職、写真を撮る

    栗駒山に向かうところで、岩手・宮城内陸地震で壊れた橋が保存されていた。 このあと東日大震災が起こったので記憶は薄れているかもしれないが、こうやって地震の被害を後世に伝えるのは素晴らしいことだと思う。

    後世に残すもの - 中年、無職、写真を撮る
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    k10no3 2018/11/04
  • 龍王ケ淵再訪 - 40代無職、写真を撮る

    あまりにも悔しかったので、もう一回行ってみた。 普通に晴れた。この前の日なら多分、霧が出ていたと思う。なかなかうまくいかない。

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    k10no3 2018/10/10
  • 赤目四十八滝 - 中年、無職、写真を撮る

    三連休最終日はやはり結構な人がいた。 滝の写真は撮った。これは千手滝。

    赤目四十八滝 - 中年、無職、写真を撮る
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    k10no3 2018/10/09
  • 青葉の滝 - 40代無職、写真を撮る

    お寺の奥にある小さな滝。 僕が撮るとなんの変哲もない写真になる。針がピコン!と振れるような写真はどうやったら撮れるんだろう。

    青葉の滝 - 40代無職、写真を撮る
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    k10no3 2018/10/08
  • 三脚について - 中年、無職、写真を撮る

    風景写真家にとって、カメラと三脚は一体不可分のものだと聞いたことがある。 今は亡きブルーザー・ブロディがレフェリーにチェーンを取り上げられそうになったとき、チェーンは俺の体の一部だみたいなことを言ってた記憶があるけど、そんな関係なんだろう。 僕は心も体も弱いので三脚を持ち歩く事が滅多にない。だからいつまで経っても上手くならない。 さすがに夜の浮見堂では三脚があればと思った。低感度で絞り込むことができたら光芒ギラギラだっただろう。 でも暑かったから、重い三脚を持ち歩いてたらどうなっていたことか。

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    k10no3 2018/08/15
  • 故郷にて - 中年、無職、写真を撮る

    二月堂の夕暮れ。 途中の浮見堂でチビ太がボートに乗りたそうにしていたので付き合うことにした。おかげで日没には間に合わなかったけど後悔はしていない。 日没から20分程が過ぎて空が赤くなった。 僕のそばにいた外国人はそれを見て「ビューリフォー」と言った。間違いなくそう言った。

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    k10no3 2018/08/15
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