ブックマーク / oldbook.hatenablog.com (9)

  • 「新撰組の隊員 杉山久次郎墓」 - 幕末 本と写真

    『伊勢崎史話』第10巻8号〈通巻112号〉(伊勢崎史談会、昭和42年)に菊池宗吉「今泉八幡宮の鳥居の額」という短い文章が載っている。 その文の後半部分に新選組隊士の墓を見つけた旨の報告が載っている。 大変興味深い。 以下に引用してみる。 【〇新撰組の隊員杉山久次郎墓 前の倉林郡蔵の墓を調査中に前から耳にしていた新撰組隊員杉山久次郎の墓をみつけたのである。以前からきいていたがようやくその機会を得たのである。墓は小さいが三角型の傘を載せている。 正面に徳昌院殿義山禅忠居士 左側に 上野国那波郡芝街公立小学校旧教員 東京 府士族 杉山久次郎墓 右側に 明治十年丁丑十月十一日 とある。歿年月日であろう。どのような経緯で当地方に来ていたのであろうか、とにかく石崎五郎兵衛氏、旧村長石崎牧太郎氏先祖の代にお世話になっていた模様である。 どうして迷い込んだものかその由を知る入はもう亡くなってわからない。ど

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    k10no3 2023/08/27
  • 大鳥圭介と板垣退助、戊辰戦争を語り合う - 幕末 本と写真

    鋤雲が面白いことを語り残している。「匏庵雑話」(『名家談叢』第一号、明治28年) 戊辰戦争の北関東でガッツリ対決・対陣した大鳥圭介と板垣退助。その経緯もあって明治に入ってからもお互いを強く意識してしまい挨拶すらできない間柄だった。モジモジして何と言って声をかけていいのか分からない彼ら二人の仲を取り持って会談させたのが栗鋤雲。ナイスだ。 この会談、板垣の介添人としてご指名で後藤象二郎も付き添っている。仲いいねー。 鋤雲と後藤の介添にも助けられて大いに打ち解けた大鳥と板垣。お互いの戊辰戦争の闘いぶりを称え合っている。板垣が大鳥の率いた旧幕府伝習隊の練度をかなり評価している点など大変興味深い。 栗鋤雲は語る。 〈私は無能な男でございますが、人が絶交して居て困るからお前が中へ這入つて纏めて呉れと云つて頼まれて、纏めたことが二三度ございます。それをお話致しませう。 (中略) 今一は大鳥圭介と

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    k10no3 2023/08/20
  • 沖田総司まぼろしの写真 - 幕末 本と写真

    昭和50年ごろ、沖田総司の肖像写真が発見されたと一部新選組ファンの間で騒ぎが起こったという。 その写真とは如何なるものだったのだろう? 結論からいえば沖田の写真などは発見されなかった。訛伝による間違いであった。 どういうことか。 まずはウィキペディアの沖田総司の項から彼の写真について書かれている部分を抜き出してみたい。 〈沖田の写真は一枚も残されていないが、ミツの証言によると、「沖田の次姉キンの文机の引き出しに彼の写真がある」と伝えられていたが、新選組研究者によると、キンの文机の引き出しを調べたが写真はなかったという。家を引越しする際、可燃ごみと一緒に処分してしまったのではないかとされる〉 という一文。注記によれば日野新選組同志会のサイトの記事に拠ったものとある。 日野の井上家(井上源三郎資料館)の2軒先の石坂家には沖田家から伝来した文机が遺されている。その文机の写真を新選組関連のでご覧

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    k10no3 2020/08/12
  • 鶴ヶ城の古写真 - 幕末 本と写真

    会津鶴ヶ城の天守を西面から見た古写真。名刺判の鶏卵写真。明治初年にお土産ものとして写真舗で販売されたものだろう。おなじみのカットである。

    鶴ヶ城の古写真 - 幕末 本と写真
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    k10no3 2020/08/09
  • 金玉チン右衛門こと大久保一蔵 - 幕末 本と写真

    『維新長崎』は長崎市教育會から昭和16年に出た。維新期の長崎を平易な文体で描いている。平山蘆江が装幀しており雰囲気のあるルックになっている。 さて、そのの中に大久保利通に関する面白い話が出てくる。大久保は自らを男性の陰部に擬えた名前「金玉 珍右衛門(キンタマ チンウエモン)」を名乗って幕府の役人の守る関所を通ったという。キンタマチンウエモン…そのまんまだ。あの厳格そうな大久保利通が。ほとんど浅草キッドの玉袋筋太郎かつぼイノリオの金太の大冒険のような名乗りではないか。 このこと、ウィキペディアの大久保の項にその変名としてぜひ載せてほしい(笑) 時は慶応3年3月に長崎警備を厚くするために浦上口(西坂)、西山口、日見峠、茂木口(田上)の4ヶ所に関所を設けて長崎への人の出入りを見張るようになったくらいの頃だという。実際の大久保にそのころ長崎行があったかどうか、私はあえて調べないでおいている。

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    k10no3 2020/07/23
  • 原市之進『尚不愧齋存稿』 - 幕末 本と写真

    原市之進の遺稿集『尚不愧齋存稿』。 このについては高梨光司の解説(『維新史籍解題』)が簡潔にして明瞭なので引用させてもらおう。 【『尚不愧齋存稿』和四冊 線引泰編 水戸藩士にして、徳川慶喜の左右に侍し、その帷幄の概機に參せる原市之進(名忠敬、後忠成、字仲寧、號伍軒、尚不愧齋)の遺稿にして、書中「督府紀略」一篇は、市之進が、文久慶應の間、數度慶喜に隨行して、上京し、みづから見聞する所に基き、慶喜の内外時局に處せる經緯を記せるもの。上中下三卷の中、下卷の後半な闕くも、筆を京師に於ける慕府の職制に起し、安政以來の政情を叙し、文久三年の大勢一變に至る。盖し維新史料の一として、極めて貴重なるものなリ。 (明治十七年三月 東京 吉川半七 唐仕立 各冊約五〇丁)】 一巻には昌平黌の同窓だった薩摩の重野安継や仙台の岡鹿門の序を寄せている。 京において原と交流した安達清風の後序は彼の人となりの分かるもの

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    k10no3 2020/07/12
  • 『推轂集』 - 幕末 本と写真

    牧頼元は庄内藩士牧半右衛門の長男として弘化元年鶴岡に生まれた。到道館に学ぶ。明治8年に新潟師範学校に入学。卒業後は庄内の小学校訓導・校長に奉職。晩年は東京に出て日下部鳴鶴、芳賀剛太郎らと風交を結ぶ。書家として名があった。 明治44年4月30日、68歳の牧頼元は東京の古書店松山堂である一巻を掘り出す。『推轂集』と題されたその書は明治5年旧藩主酒井忠篤がプロイセンに留学するのに際して酒井玄蕃以下108人の旧庄内藩士が献呈した159首におよぶ壮行の詩文集であった。忠篤の壮途に感激し、帰国後の飛躍に大いなる期待を抱いた各自の心境を詠じたものであった。そこには当時まだ到道館の学生だった牧も七言律詩一首を奉送していた。牧は39年ぶりに東京の古書店で自らの詩文に再会したのだった。 その感激を下記のように記している。 「日月電光、感慨なんぞ巳まん。然り而して今日、幸に之を購うを得たるは、まことに寵霊と謂は

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    k10no3 2020/07/10
  • 生駒親敬 - 幕末 本と写真

    出羽矢島藩主 生駒親敬の名刺判鶏卵写真。 この人の写真は単独で写ったものが馴染みがあるかもしれない。「最後の藩主」を特集したようなムックでよく紹介されている。下膨れの顔がチャーミングな人。 こちらの写真は家臣二人を前に座らせて真ん中に立っている。前の二人は生駒家を官軍方につかせるのに功のあった重臣の小助川太右衛門、松原彦一郎だろうか?親敬の服装は一人写りのものと同じなので同じ日に撮影されたものだろう。内田九一の浅草大代地の写場で撮られたものだ。 生駒家は大名ではなく交代寄合旗。江戸幕府最後の中川船番所の取締「中川番」を勤めた。 戊辰戦争において新政府軍につき庄内藩と戦った。矢島を襲ったのは庄内藩の中でも新徴組の三小隊だった。義経の鵯越よろしく鳥海山を踏破し山頂に野営、7月28日の暁、一気に山を下つて矢島に攻め入つた。時に矢島には藩兵50名ばかりと些かの火砲しかなく、援軍の秋田藩兵も銃砲

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    k10no3 2020/07/04
  • 酒井玄蕃研究誌『冬青』について - 幕末 本と写真

    酒井玄蕃研究家の坂守正は『酒井玄蕃の明治』稿了後すぐ、玄蕃の戊辰までの前半生の研究に着手する。そして昭和57年玄蕃の伝記研究のための会員制の個人誌『冬青』を創刊する。玄蕃自筆文書の解読を誌上に連載して読者の批判訂正を乞うとともに、新史料の発掘の呼び水にしたいとの意図のもとに発行された会誌であった。 誌名の「冬青」は坂の俳号から採ったもの。 題字を寄せたのは庄内藩最後の藩主酒井忠篤の孫にあたる酒井忠一。 発行元の冬青社は坂のプライベートプレスになる。 商社マン(三菱商事)だった坂は定年退職後の昭和54年香港で貿易業を自営。香港島の冬青道に面したビルの9階を住居としていた。そしてその書斎を「冬青山房」と名付けまた自らの俳号とした。日に帰国後は埼玉に住むがその居宅の書斎も「冬青山房」の名前を継いだ。そこから会員に向けて酒井玄蕃の現在進行形の研究をプライベートプレスの小冊子にして毎月送り

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    k10no3 2020/06/29
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