「2018年12月に入って以降、太平洋南方沖の地震が急速に増えています。過去数十年間で、これほど集中したことはありません。きわめて危ない状況で、異常だといえます」 そう警鐘を鳴らすのは、立命館大学・環太平洋文明研究センターの高橋学教授(災害リスクマネージメント)だ。 上の画像を見てほしい。マップ内の「南海トラフ」に沿って、和歌山県南部の紀伊水道周辺や、四国と九州の間にある豊後水道、日向灘を中心に、2018年12月に入ってから地震が頻発していることがわかる。 南海トラフとは、駿河湾(静岡県)から四国の南の海底に続く約700キロメートル、水深約4000メートルの深い溝のこと。そこから続く、ユーラシアプレートとフィリピン海プレートの境界に沿った場所を震源とする地震が相次いでいるのだ。 「いずれも震源が深く、南海トラフが直接動いたことによる地震。いつ南海地震が発生してもおかしくない状況になっていま