◎被災地の選択(5完)内陸地震では/一関 防災啓発の教材に 折れた橋桁が無残な姿をさらす。緑の濃い山あいに異様な光景が広がる。観光客が車を止め、深い川底をのぞき込む。 岩手県一関市西部、厳美町の国道342号に架かる旧祭畤(まつるべ)大橋。2008年6月に発生した岩手・宮城内陸地震=?=で、橋を支える橋台が10メートル以上ずれて崩落した。震源から南にわずか数キロの地点だ。 記憶の風化を防ごうと、一関市は損壊した橋を岩手県から譲り受け、遺構として管理する。災害で被害を受けた人工構造物を遺構として残すのは東北で初めてのことだった。安全性や治水面を考慮し、橋桁や橋脚の一部は撤去された。 市は付近に説明板を掲げた「展望の丘」を整備。路面がずたずたに破断された旧342号の脇には、間近で見学できるように歩道を設置した。職員らが草刈りや枝払いをして被災当時のまま維持している。 「実物は臨場感があ
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