震災の影響ですっかり鳴りを潜めてしまったものの、今年は年初よりTSUTAYAの運営会社であるカルチュア・コンビニエンスクラブや、アート引越センターのアートコーポレーション、ワインのエノテカ、システム開発のワークスアプリケーションなど、それなりの有名どころがMBOで非公開化する事案が相次ぐ、M&A業界にとっての当たり年だった。 MBOによる非公開化自体はかなり一般化してきた感もあり、多くの人は新聞やテレビなどでこの言葉を見たり聞いたりしたことがあると思うが、一方でその内実は市井の人々にとっては比較的難解で理解がしづらい面もあるやに思い、今日は少し解説を試みることとした。 タイトルの「会社は何故非公開化するのか」は、よくこうした問いが立てられるので採用したが、結論から言えば買収の対象となる会社側に非公開化する積極的な理由があることは極めて稀で、どちらかというと買収する側の都合でそうならざるを得