国際会議の取材現場では、日本の新聞社の「速報ニュース至上主義」が浮き彫りになる。これを象徴するのがぶら下がり取材だ。 記者は、歩いて移動中の取材対象者に「ぶら下がる」ようにして質問する。会議を終えてホテルに向かおうとする取材対象者を取り囲んだり、記者会見を終えて会見場を出ようとする取材対象者をつかまえたりするのだ。 独自取材そっちのけで、いわば「突撃取材」に走り回るわけだ。これは今も昔も変わらない。 個人的には1990年代半ばを思い出す。日本経済新聞のチューリヒ支局長としてスイスに駐在していた。 国際機関が集中するスイスでは国際会議を取材し、要人にぶら下がる機会が多かった。他国の新聞記者と比べて自らの行動を観察できたため、当時の体験は今も鮮明に覚えている。 チューリヒには日経新聞と同様に、欧米系の有力経済紙が支局を置いていた。米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)と英フィナンシャル・タ
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