今年7月、スウェーデンで徴兵制が廃止され、続く10月にはドイツも廃止を決めた。その背景には、冷戦の終結による戦略環境の変化がある。東西陣営間の全面戦争が想定されていた冷戦期には、大量の兵力を調達する上で徴兵制は必要なシステムであった。 だが、冷戦後、各国では、軍事支出が大幅にカットされる一方、局地紛争や人種間対立、自然災害などへの対処が軍隊の新たな任務として浮上してきた。 この結果、軍隊の規模自体を縮小しつつ、遠隔地へ素早く展開する能力が重視されるようになった。また、従来型の国家間戦争においても、兵器のハイテク化や情報通信技術の浸透が進み、量より質が重視されるようになってきた。 以上のような変化の結果、大量の徴兵よりも高度な訓練を受けた少数のプロフェッショナル兵士が好まれるようになってきたのである。 拡大する徴兵数 ところが、近年のロシアでは徴兵制への依存が加速している。同国では18~27