発生は、突然だった。 M7.8。最大震度7の局地的直下型大地震。この悪夢のような天災は、東京を代表する繁華街の一つである渋谷を一晩で無価値にした。視線を遮っていた高層建造物は諦めたように倒壊し、黒い火災は仲間を求めて勢いを広げ続け、混乱した人たちは集団心理から恐怖を扇動され、その全てがあらゆる命を奪って行った。 最終的な死者、3851人。負傷者、30927人。 後に、“渋谷地震“と呼称されるようになった震災である。 2015年9月7日、自宅で生放送中の生主が突然死する事件が発生。 同9月19日、渋谷でストリートライブ中に歌いながら死亡する事件が発生。 猟奇的で奇妙なこの事件に興味を持った碧朋学園新聞部の部長、宮代拓留は取材を続けていた。ふとしたきっかけで「奇妙な一致」に気づいた拓留はクラスメイトで親友の新聞部部員“伊藤真二”に相談することに。文化祭の準備でざわつく学校で伊藤と話していると、