◇僕のお父さんは東電の社員です。原発を造ったのはみんなです。 「突然ですが、僕のお父さんは東電(東京電力)の社員です」。4月上旬、東京都内の小学6年の男子児童から、毎日小学生新聞編集部に一通の手紙が届いた。東日本大震災に伴う福島第1原発の事故で、東電は世間の厳しい目にさらされている。そんな中、手紙には、東電の一員である父親の姿を見ながら、原発をみんなの問題として真剣に考え続けた切実な意見がつづられていた。【小丸朋恵】 手紙は、3月27日の毎小に掲載された、事故や計画停電について東電の責任を指摘した記事を読んだことがきっかけ。記事の一部に反論したうえで、原発問題を自分たちの問題として向き合うよう語りかけている。 先日、本人に会い、手紙を書いた時の気持ちを聞いた。手紙を書いたのは、毎小を読んですぐ。計画停電で学校や塾が早く終わり、考える時間がたくさんあったので、数時間で一気に書き上げたという。