土地には必ず所有者がいて、しかも、その所有者を確実に特定できる。 誰もが、当たり前に思っているこの概念が崩れ始めています。いや、正確に言うと、明治以降、土地所有者を確実に特定できる制度は存在しておらず、いつでも所有者不明の土地が出現する可能性がありました。 近年、老朽化した空き家が倒壊する危険が指摘されていますが、所有者がわからない場合には、問題を解決するのが難しいです。 人口が減少する中での土地の相続は難しくなる 東京財団研究員兼制作プロデューサーの吉原祥子さんは、現在の日本の土地制度は、明治に確立し戦後右肩上がりの経済成長時代に修正・補完されてきたもので、地価高騰や乱開発など過剰利用への対応が中心だったと著書の『人口減少時代の土地問題』で述べています。 そのため、現在の土地制度は、過疎化や人口減少に対応したものとなっておらず、土地の「所有者不明化」が起こっていると指摘しています。 とこ