2011年10月26日21:24 カテゴリOG公演レビュー 深い輪廻の物語。『眠れぬ雪獅子』レビュー 謝珠栄が率いるTSミュージカルファンデーションが公演中である。 今回の『眠れぬ雪獅子』はチベットの現在と過去を背景に、彼の地に伝わる「黒い帽子の踊り」の伝説を探りながら、「命と心」という謝珠栄ならではのテーマが、東山義久と伊礼彼方という若いスターを中心にパワフルに展開されている。 美しいターラ菩薩(保坂知寿)の歌声で幕が上がる。 舞台は1951年のチベット。旅芸人テンジン(東山義久)は都チャムドにやってくる。おどけた笑いを届ける一座が上演するのは、仏教を弾圧した王ラン・ダルマ(今井清隆)を843年に暗殺した僧侶ラルン(小西遼生)の話。 ラルンは「黒い帽子の踊り」の踊り手に混じって、ラン・ダルマを討ち仏教を救った。伝説を茶化して笑いをとるテンジンに、ドルジェ(伊礼彼方)は怒って上演をやめさせ