「もうだめだ。この子と一緒に死のう」。赤ん坊を産んだ直後をそう振り返る女性(28)は、死体遺棄と殺人の罪に問われ、法廷に立った。 女性が死体を遺棄した赤ん坊は2人。それぞれに当然父親がいる。罪に問われない彼らは、何を思うのか。裁判の傍聴を重ね、関係者を訪ね歩いた。【菅野蘭】 女性は、2018年に出産した赤ん坊の遺体を隠したとする死体遺棄、21年に産んだ赤ん坊を殺害して隠したとする殺人と死体遺棄の罪に問われている。 「自分がしっかりしていなかった」と悔いる女性に対し、18年の事件で父親とされた男性Aは妊娠を「面倒なことになった」と捉えた。21年の事件では、同居していた男性Bは出産に「気付かなかった」という。 <主な内容> ・「金なんか払わないよ」 ・何度も「自殺」を検索 ・遺体はスーツケースに ・深夜の駅、姿を現したA 「愛している」に「好きだ」と応じる 東京都心まで電車で40分ほど、首都圏