京極夏彦による「百鬼夜行シリーズ」第4弾『鉄鼠の檻』がミュージカル化。2021年に上演したミュージカル『魍魎の匣』に引き続き、主人公・中禅寺秋彦を演じる小西遼生に、前作の思い出や今回のミュージカルにかける情熱、オフの過ごし方などを聞いた。 『鉄鼠の檻』は人間の業が溢れているお話 ――21年に上演した『魍魎の匣』に引き続き、『鉄鼠の檻』で主人公・中禅寺秋彦を演じます。京極夏彦先生の「百鬼夜行シリーズ」をミュージカル化するという斬新な試みですが、前作を振り返っていただけますか。 小西遼生(以下、小西) 最初に『魍魎の匣』をやると聞いたときは、完成の絵が全く想像できなくて、この作品を成立させるのは難しいことだし、全く新しいものを作るんだと感じました。稽古期間は約一か月あったんですが、台本を読み込んでいくうちに、分厚い原作をコンパクトにまとめる苦労を感じましたし、演出の板垣(恭一)さんを筆頭に悩み