■はじめに 今年の3月に性犯罪に関して次の4つの無罪判決が続き、社会的に大きな関心が集まりました。 福岡地裁久留米支部平成31年3月12日判決(「久留米判決」)静岡地裁浜松支部平成31年3月19日判決(「浜松判決」)名古屋地裁岡崎支部判決平成31年3月26日判決(「岡崎判決」)静岡地裁平成31年3月28日判決(「静岡判決」) それぞれの判決についてはマスコミでも取り上げられ、ネットでも紹介もされていますが、事実認定もそれに対する法的な評価もたいへん微妙な事案ですので、ここではそれらの判決について検討すべき論点について考えたいと思います。 ■それぞれの判決の内容と問題点1.久留米判決と浜松判決について (1) まず、久留米判決ですが、泥酔状態にあった被害者に対して被告人が性交を行ったという事案です。被告人は、被害者が「飲酒酩酊のため抗拒(こうきょ)不能であるのに乗じ、同人を姦淫した」として、
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