ライアル・ワトソン(Lyall Watson)氏が亡くなったのは2008年6月25日。一週間後、追悼記事がテレグラフに載っていた(参照)。69歳だった。私は一時期彼の著作をよく読んだ。集大成と言えるのは「生命潮流―来たるべきものの予感」(参照)だろうが、今アマゾン読者評でも偽科学といった糾弾が目に付く。今となってはそう見られてもしかたがないものだが、当時は最先端の科学とイマジネーションで書かれた話題の書でもあった。今では珍妙な主張のように見えないこともない。転居を繰り返した私の書架には、ワトソン氏の本はこの一冊しか残っていない。彼がその書籍で主張したcontingent systemについてときおり考えることがあるからだ。テレグラフの記事ではワトソン氏について、ニューエージ運動と併せて冒険家の側面を語っていたが、加えるなら、詩人とも呼べるだろう。生命潮流をテーマにNHKの連続番組があったが