●会津若松の無理心中事件 会津若松市門田町で10月27日、近くに住む夫婦と長男(31)の遺体が見つかった。長男は首を絞められて亡くなっており、県警は夫婦による無理心中事件として調べている。妻(58)は事件前、知的障害を抱える長男や仕事のことで、周囲に悩みを打ち明けていた。 冷たい雨が降る朝だった。JR只見線の鉄橋で、人見(ひとみ)常男さん(60)と妻の明美さんが並んで首をつった状態で見つかった。警察が約2キロ離れた2人の自宅へ行くと、長男の淳さんが居間で亡くなっていた。 「もう疲れちゃった」。事件2日前の25日夕方、明美さんは仕事仲間の女性(50)との電話で、ため息を繰り返した。「原発事故で仕事もなくなって悩んでいた様子だったけど、こんなことになるなんて……」 人見さん夫婦は20年ほど前、いわき市から会津若松市に移り、温泉旅館にコンパニオンを派遣する仕事を始めた。常男さんが送迎の車