巨大なカネ食い虫 消費した以上のプルトニウムを生み出すとして、エネルギーの自給自足につながる「夢の原子炉」と期待された高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)が、風前のともしびとなっている。 これまで1兆円以上の国費が投入されながら、トラブル続きで運転実績がほとんどない。それでも維持費として年間約200億円が計上され、毎日5000万円を浪費し続けるという巨大な〝カネ食い虫〟となってしまった。 そうした中、国の原子力規制委員会は昨年11月、もんじゅの運営組織を現行の日本原子力研究開発機構(原子力機構)から変更するよう、管轄の文部科学省へ勧告を行った。何ら将来像を描けないまま、ばく大な費用だけがかかっている状態に規制委がしびれを切らした格好だが、文科省は期限とされた半年を過ぎても新たな運営組織を特定するに至っていない。 活路の見出せないもんじゅに対する世論の目は厳しく、政府内からも「廃炉やむなし