日本映画・洋画を問わず、ネタバレ・あらすじを交えて感想(レビュー、 批評、 解説…?)を語りながら、映画の魅力を再発見していきましょう。ラストを明かすことも。 宮崎駿監督の育った家は、戦争中とても景気のいい家だった。 自動車の個人所有が一般的ではなく、しかも原油不足から民間では木炭自動車が使われていた当時にあって、彼の父はガソリンの自家用車に乗っていた。世間が食糧難で、食べる物が何もない中、宮崎家はおひつでご飯を食べていた。 叔父が社長、父が工場長を務める宮崎航空興学は、軍需産業の一員として飛行機部品を組み立てていた。栃木県の工場には千数百人の工員がいたというから、ちっぽけな町工場ではない。なるほど、裕福な一族だったのだろう。 だが、未熟な女の子たちを臨時工として動員しても、できた翼は規格に合わない。規格に合わなくても、検査官の軍人にポケットマネーを渡せば通ってしまう。 それで特攻隊の青年