漢字の発明者「殷王朝」と普及者「周王朝」 漢字が生まれたのは、今から3300年前(約紀元前1300年)の中国、「殷王朝」によって発明された甲骨文字です。その漢字は、今とは全く異なる使い方をされていました。 「殷」では、穀物の豊穣を願う雨乞いから祭や戦の時期まで、あらゆることを文字を刻んだ亀の甲羅や獣の骨のヒビ割れで占いました。これが象形文字を起源とする「甲骨文字」で、神との対話のために生まれたのが漢字だったのです。 漢字の革命 殷から周への王朝交代を生んだ古代最大の天下分け目の激戦で、「殷」との戦いに勝利した新しい王朝「周」は、神との交信のためだった漢字を、他部族との契約に使うという発想の大転換をしました。話し言葉の違う部族でも見れば意味を理解し、意思疎通ができる表意文字である漢字は、瞬く間に浸透していきました。 変化を続ける漢字 紀元前221年、中国統一を成し遂げた秦は、それぞれの地方で