最近引っ越しが続く。年末を慌ただしく過ごしている中、この秋から冬への短期間で2度の引っ越しを体験することで、引っ越し業の事情が見えてきた。 まず新築マンションの場合、一斉に居住者の引っ越しが重なるため、一業者が一手に請け負うことが多い。その場合もちろん大手業者だ。引っ越し業の営業スタッフほど個人の腕がモノを言うものはないといつも感じてきたが、今回もそうだった。 「うちに任せてくださいますと当日なにかありましても融通がつけやすいんです。なんせ混み合う引っ越しですので。ぜひ」と懸命に私に訴えるのだった。 この“懸命”というのに私は弱い。私も昔、アルバイトで営業をしたことがあるが、どれほど頼んでもなかなか商品は売れるものでもない。それをクスッと笑って買ってくださるお客様がどれほど嬉しかったことか。その“クスッ”の意味とは、「別にいらないけど、君がそこまで頼むから買ってあげる」というクスッなのだっ
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