遠隔操作ウイルス事件が、下手をすると弁護側が被告の無罪性の証明を要求される異常な事態に陥る様相を呈し始めている。 この事件で逮捕、起訴され勾留中の片山祐輔被告の弁護人の佐藤博史弁護士らは、8月22日第四回公判前整理手続後に会見し、片山氏の犯人性を証明する証拠が依然として検察側から一切出てこなかったと語った。 佐藤氏によると、今回検察側が明らかにした証拠は2つで、片山氏が雲取山にUSBメモリを埋めた日付を「12月1日頃」とし、江の島の猫の写真を撮ったのは「3回だけに限らない」と回答しただけだったと言う。 いずれも片山氏が犯人であることを証明する証拠としては不十分なものばかりで、弁護側の主張に対する有効な反論を行わないまま半年以上も勾留が続き、近親者との接見も禁止されている現在の状況を、佐藤氏は厳しく批判した。 複数の掲示版などに脅迫や殺人予告などが書き込まれたこの事件では、過去に誤認逮捕され