水俣病慰霊の仏舎利塔、水俣市が撤去要求 「市有地を不法占拠」近く提訴へ 2024/2/16 6:00 (2024/2/16 14:11 更新) [有料会員限定記事]
強制わいせつの常習犯だった10代後半のシミズ=仮名=が“お手本”としたのは、アダルトビデオ(AV)だった。 見始めたのは中学生のころ。女性が男に襲われる過激なビデオに、すぐにのめり込んだ。「暴力的でも女は実は嫌がっていない」「撮影した監督も捕まってないし、同じようなことをやっても大丈夫なはずだ」。現実と仮想の世界の区別がつかなくなっていった。 九州の地方都市に住むシミズは、深夜、親の目を盗んで家を抜けだし、一人歩きの女性を尾行。人けのない場所で、背後から抱きつき、体を触って逃げた。繰り返すうちに逮捕され、少年院へ。今年、仮退院した。動向を見守る保護観察官は言う。 「AVに触発されたと言うのは彼だけではない」 作品のまねをして、電車やバスで痴漢をした少年。無職で日がな一日、過激なAVを見て、女性を次々に襲った20代の男。「AVが性犯罪のリスクを高めているように感じる」。観察官は顔をしかめる。
大分県の公立中の男子生徒から「体育祭の得点の算出法がおかしい」という意見が届いた。競技だけでなく、日頃の肌着の色まで影響するのだという。競技結果と服装や生活態度は関係ないはずだが、なぜ結び付けられているのか。新型コロナウイルスの影響で開催に制限が出ているものの、5月は春の運動会シーズン。西日本新聞「あなたの特命取材班」が調べた。...
福岡市は本年度から、学校給食用の米飯(精米含む)、パン、牛乳の基本食品3点について、市町村へ卸売りする公益財団法人福岡県学校給食会(同県筑紫野市)を通さず、食品業者からの直接購入に切り替えた。県内60市町村で、3点全てを給食会以外から購入するのは福岡市が初めて。給食会の仲介を省くことで、食物アレルギーに柔軟に対応でき、購入費は年間約5500万円(推定)削減できるようになったという。 同市は市立の小中学校と特別支援学校の児童・生徒計約12万人に給食を週5回提供。米飯は週3回、パン週2回、牛乳週5回で、この3点は給食会設立当初から同会を通じて購入してきた。2019年度の3点の購入費は約25億4千万円。 ただ同市は食物アレルギーへの対応強化などを図る上で「給食会は県内統一的な対応で、一部の子のアレルギー原因となる食材を使わないパンに切り替えてほしいといった要望になかなか対応してくれない」(同市教
NICHE-MEN(ニッチメン)-オレの仕事、アウトですか?<4> 圭輔(27)=仮名=が経営するゲーム会社には、表の顔と裏の顔がある。正式に公表している業務は、家庭用ゲーム開発の孫請け。世間に大っぴらにしていない顔は“18禁”のゲーム制作だ。「従業員の家族に見せるわけにはいかないから」。自身も親きょうだいには内緒にしている。 手掛けてきたのは、アニメ調の美少女と会話し、疑似恋愛のシナリオを進めていくに従って「ごほうび」が待つタイプのゲーム。ただ、自身はこの種のゲームは「苦手。僕が作ると思わなかった」とも言う。それでも作るのは、CGを大量に使うわけではないため、従業員数十人規模でも手が出せるからだ。「規制が緩く、自由に作れる。アダルト目的のプレーヤーを感動させることもできたら、してやったりでしょ」。当てればでかいジャンルだ。家庭用ゲームへ移植されることもあれば、アニメ化、映画化の可能性だっ
寒い部屋で暮らすとトイレが近くなる―。そんな経験則を、産業医科大や北九州市立大(ともに同市)などの研究グループが5年間にわたる大規模調査で証明した。冬季に就寝前、室温を2・5度以上高くすると「過活動膀胱(ぼうこう)」の有病率が約4割減る傾向を確認。家が暖かいと血圧低下の効果があることも分かり、住宅の温度管理の必要性が注目を集めそうだ。 研究は、医学、建築環境工学の専門家でつくる一般社団法人「日本サステナブル建築協会」の委員会(委員長・村上周三東京大名誉教授)が2014年度から国土交通省の助成を受けて行った。 過活動膀胱は頻尿や、急に尿意を催して我慢できない「尿意切迫感」などの症状があり、国内の40歳以上の8人に1人が症状を持つという疫学調査がある。 グループは18年度までに4500人超の住環境や体調を調べ、比較可能な1300人程度のデータを分析。窓の改修やエアコン設置、断熱材の活用などで、
睡眠薬などのレイプドラッグを使った性犯罪の摘発が増える一方、睡眠薬の作用で記憶が失われている間に証拠もなくなり、立件が難しいケースも少なくない。被害そのものに気付きにくく、潜在化しやすいのも特徴だ。知人や会社の同僚などとの食事後に被害に遭う事例もあり、身近な人の“裏切り”に苦しむ人もいる。専門家は「知り合いに対しても性善説ではいられない時代」と語る。 「飲みに行ったが途中の記憶がない」。準強制性交罪などで起訴された40代の男から被害を受けた女性は、周囲にこう打ち明けた。男とは知人関係で「こんなことをする人と思わなかった」と憤っているという。 内閣府の調査(2017年度)では、無理やり性交される被害に遭った男女164人のうち、加害者が交際相手や配偶者、同級生や会社の上司・同僚など「顔見知り」と回答したのは約8割に上った。 警察庁によると、10~19年に摘発した薬物を使った性犯罪事件(355件
米国の人気ドラマ「THIS IS US(ディス・イズ・アス)」のせりふで「Nagasaki(ナガサキ)」が「破壊する」「つぶす」という意味の動詞として使われていた。この表現をどう受け止めればいいのか。米国在住の映画評論家、町山智浩さんに電話で話を聞いた。 -米国で「ナガサキ」を「破壊する」という意味で使うことはあるんですか。 「使わない言葉ですね。こちらに住んで20年以上になりますが、聞いたことがない」 -ではなぜ? 「おそらく脚本家がキャラクターの暴力的な性格を表現するには、広島では弱いと思ったんでしょう」 -弱い… 「長崎への2発目の原爆投下は、対日戦の戦略上必要のない、道義的にも許されるべきではないものだったので。徹底的につぶすと言うときに広島ではまだ表現が弱い、だから『ナガサキ』だったんでしょう」 -米国の視聴者は理解できるんでしょうか。 「分かる人は多くないでしょう。原爆に関する
◆傍観 その先にある損失 内心に募る否定的な感情を、他者にぶつけて憂さを晴らそうとする人が増えているように感じる。その最悪の例が、京都での無差別放火殺人かもしれない。 もちろん、そういうところまでいってしまう人は、まだ社会のごく一部だろう。だが犯罪行為ではなく、政治的なトピックの場合には「自分たちだけが正しく、相手だけが間違っている」という一部の過激な主張に、その外側にいながら何となく同調してしまう人が、市井の普通の人にも増えている感じがする。彼ら自身は否定的な感情を大人げなく他者にぶつけはしないのだが、誰かの排他的で視野の狭い行動を「そうはいっても相手の方がより悪いよな」と、何となく許してしまう。 そういう人こそ気付かなければいけない。「相手側から自分たちがどう見えているか」についても考えないと、結局は自らの利益を損ねる可能性があることを。 日本の韓国に対する、一部製品の輸出に関する優遇
「どこで吸えばいいの」ベランダ喫煙トラブル、解決に限界 受動喫煙でうつ病リスクも 2018/10/19 6:00 (2022/12/9 12:40 更新) [有料会員限定記事] 「隣人がベランダでたばこを吸っていて、臭いが家の中まで入ってくる。やめてほしいと手紙や口頭で訴えたが効果がない」。ベランダで喫煙する“ホタル族”に悩まされているとの声が、福岡県内の集合住宅に住む会社員男性(42)から特命取材班に寄せられた。そういえば最近、あちこちの集合住宅で「喫煙に関するお願い」なる張り紙をよく見掛ける。2020年の東京五輪・パラリンピックを前に禁煙の動きが広がる中、集合住宅での喫煙問題を取材した。...
有用微生物群(EM)を活用し、地域の環境浄化に取り組む福岡市城南区の市民団体「ボカシネットワーク鳥飼」は今月上旬、鳥飼小学校(同区)のプール清掃を前に、水の汚れを分解するEM活性液を投入した。 同ネットワークは、家庭の生ゴミ削減や河川浄化を目指して約20年前に発足。現在、40~80代の住民25人が、自分たちで作った米ぬかのぼかしで野菜を栽培するなどしている。EM活性液は米のとぎ汁に糖蜜などを入れ、EM菌で発酵させたもの。プールのヘドロなどを菌が分解・除去することから、清掃しやすくなるという。 冬季から含めて3回目となるこの日は、18リットル入りのポリタンク10個分を入れた。プールは、5月に児童らが清掃するという。会長の吉村圭子さん(78)は「若い人にも参加してもらい、地域の環境浄化を続けたい」と話していた。 =2019/04/19付 西日本新聞朝刊=
肥料の原料として世界中で生産されている水素と窒素の化合物「アンモニア」の新しい合成法を、九州工業大大学院生命体工学研究科(北九州市若松区)の春山哲也教授(54)が開発した。水と空気だけを材料にする簡易的な方法で、化石燃料を使用する従来の製造法に比べて、大幅なコスト低減が見込まれる。環境への負荷も少なく、注目を集めそうだ。 春山教授によると、世界の人口が増え続ける中、アンモニアは食糧の増産に欠かせない重要な化合物。世界で年間約1億7千万トン生産されている。 現在の製造はほぼ100%、1913年に実用化された「ハーバー・ボッシュ法」を採用。天然ガスに含まれる水素を高温、高圧で窒素と合成し、アンモニアを生み出す。ただし、大規模な工場が必要で、二酸化炭素(CO2)を排出することにもなる。 気体と液体の境界で起こる反応を研究している春山教授は、水の表面の水素原子が他の原子と反応しやすい性質に着目。空
車の電子キー無反応、トラブル相次ぐ 長崎県佐世保市で200件超 「米軍基地が影響か」の声も 2018/5/29 6:00 鍵穴に鍵を差し込まなくても自動車のドア開閉やエンジン始動が可能な電子キーが反応しないトラブルが、長崎県佐世保市内で相次いでいることが分かった。西日本新聞の調べでは、市内の自動車販売店に24日ごろから、これまでに少なくとも200件以上の報告例があった。原因は特定されておらず、「強い電波を発する米軍基地が影響しているのでは」といった臆測も出ている。 トラブルは複数のメーカー、車種で発生。ダイハツ長崎販売大塔店=同市大塔町=には24~28日、苦情や相談が計100件以上あった。JR佐世保駅近くの市中心部に被害が集中していたという。市内のトヨタ系列の販売店でも50件以上の被害を確認。スタッフの一人は「電波妨害が原因とみられ、5年ほど前にも同じことがあった。米軍基地に近い地域で被害
「命の危険感じる」近隣住民襲う竹林 相続の80代、資金が底…管理に限界 放棄は法で認められず 2018/5/4 6:00 (2022/12/8 12:12 更新) [有料会員限定記事]
「理想の猫じゃない」と踏み殺す 元学校臨時教職員の男を容疑で書類送検 「20匹殺し、燃えるごみで出した」 自分の飼い猫を殴りつけ、踏みつけて殺したとして、福岡県警戸畑署は12日、元学校臨時教職員の男(25)=現大分市在住、アルバイト=を、動物愛護法違反容疑で、福岡地検小倉支部に書類送検した。 過去に約20匹の猫を飼っては次々に殺し、「燃えるごみ」として捨てていたという。 送致容疑は、5月2日午前2時8分ごろ、当時男が住んでいた北九州市戸畑区にある集合住宅で、飼い猫を両手で殴りつけ、さらに両足で踏みつけ、殺害した疑い。この時、騒ぎを聞きつけた近所の住民が同署に通報。警察官が駆けつけた時は、男は殺した猫をゴミ袋に入れていた。 同署によると、男は犯行当時、学校の臨時教職員で、生徒を教えていたという。 犯行動機については「理想の猫ではないから殺した」と主張。「呼んだらすぐにやってきて、体を触らせて
九州大学記録資料館の三輪宗弘教授が発見した2通の電報記録。外務省が在米日本大使館に発信したもので、これらが「訂正電報」とすれば、急を要するはずの対米覚書の訂正を、外務省は半日以上遅らせていたことになる。 その理由を三輪教授は「陸軍参謀本部が米国に開戦の意図を察知されぬよう、わざと遅らせ、外務省も協力した可能性が高い」とみる。着目したのは、いくつかの他の電報の存在だ。 米東部時間で1941年12月6日午前9時54分、米国人タイピストの使用禁止を指示(表の1)。14部の発信から約2時間後の7日午前4時18分、大使館に初めて、米政府に「(7日)午後1時に通告」するよう指示している(2)。外務省は事前に、対米覚書が開戦通告という極めて重大な文書であることを大使館に伝えていなかった。 同午前4時44分には、電報を解読するための暗号機3台のうち、2台の破棄を命令した(3)。開戦後の米政府による押
JR忘れ物係、ひとこと多かった? 持ち主に「財布のお金抜かれてますよ」 「なぜ抜かれたと分かる」 持ち主110番 放った一言が命取り-。駅の忘れ物預かり所に届けられた落とし物の財布から現金を抜き取ったとして、福岡県警小倉北署は23日、業務上横領の疑いで北九州市八幡東区のJR九州関連会社社員の男(36)を逮捕した。 逮捕容疑は22日午後8時前、JR小倉駅の忘れ物預かり所で、届けられた財布(計約14万円在中)から8万円を抜き取った疑い。容疑を認めているという。 署によると、男は当時、預かり所の受け付けや管理を1人で担当。届け出から間もなく、財布の持ち主の女性(37)が窓口に訪れた際、「金は抜かれていますよ」と言いながら返却した。ただ財布には現金6万円が残っており、「なぜ現金が抜かれたと分かるのだろう」と不審に思った女性が110番して発覚したという。 署は「そもそもあってはならない事件だが
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