お手入れに入ったお庭で、「庭木を虫が食べて穴を開けてしまった」という相談を受けることがあります。 問題の樹木を見せていただくと、確かに空洞になった部分にアリなどの虫がたくさんいます。この状態だけを見ると、アリなどの昆虫が木の幹を食べて、穴を開けてしまった、と考えてしまうのは仕方がないかもしれません。 しかし、木の空洞化は、虫が食べてしまうことだけが原因で起こるわけではありません。 むしろ、順番としては、先に木が「腐れ」を起こし、その腐った部分に虫が入り込んだ、という事例の方が多いのです。 では、樹木が「腐れ」を起こす原因は一体何か、というと、庭木の場合は、不適切な剪定によるものがほとんどです。 「理想的剪定法」という項目で以前に書きましたが、樹木は、図1の通りの角度で枝を剪定すると、樹皮が切り口をきれいに覆って、切り口を保護することができます。(写真1)