『ゼロ・グラビティ』鑑賞。噂に違わぬ凄い映画だった。色んな人が今年のベストワンに挙げているのも分かるわあ。 本作を語る際、多くの人が「リアル」という言葉を使っているのだけれども、自分にはリアルな宇宙開発を描いているとは到底思えなかった。 以下、なるべくネタバレにならないように書くけれども、気になる方は読まないように。 まず、宇宙服と宇宙船の気圧調整という点で大嘘をついている。 地球上の大気圧は1気圧*1。宇宙空間は真空なので0気圧。ここまでは常識の範囲内だろう。 ところが、大抵の宇宙服の内部は1気圧じゃなくて0.3〜0.4気圧なんだよね。内部が一気圧の宇宙服で真空に出ると、パンパンに膨らんで身動きができなくなるためだ。 かといって、膨らまない硬質の素材で宇宙服を作ると重く、大きくなりすぎて運用し難い。1気圧から急激に0.3〜0.4気圧に下げると減圧症が発生するという問題もある。そこで、数時