親の期待とアイデンティティーの確立 生まれてきた子供に大きな期待をかけるのは、どの親も同じだと思います。健康に育ってくれればそれで満足と言っていた親も、周りの様子を見るにつけ、子供には将来、お金に困らない生活を送ってもらいたい、そのためには「良い学校」に通い、「良い仕事」に就いてもらいたい、と期待と夢が膨らんでいきます。 世の中の仕組みが良く分かっていない子供にとっては親が唯一の羅針盤です。もちろん、本当に子供自らの意思で習い事に通い始めることもあるでしょうが、親の独りよがりであることが多いことも事実です。スポーツ選手になるためのコーチレッスンや、楽器の英才教育はまだしも、進学塾に通っている子供の多くは、親がそうするようにしているだけではないでしょうか。 しかし、そんな子供もやがて気がつきます。「これは自分が望んだことなのか」と。もし、今まで操り人形のように誰かに動かされていた自分が、実は