7.「ごちゃごちゃ言ってんじゃねーよ」アガタは迫力ある顔にものを言わせた (2) ナッパとの夢の合同練習当日、クマはアガタの家へ行き、彼が知り合いから引っ掻き集めてくれたギターアンプ類を二人で、センヌキの父親から分捕った感のある「上野毛NAPスタジオ」までバスに乗って運んだ。 途中、車内でタンバリンを3度も落として思わぬ大騒音を立て、その度に他の乗客から睨み付けられた。いつの世も凡人達は芸術家に冷たい。 漸くセンヌキの家に着くと、もう既にナッパから電話が架かった後だった。 「あれえ、学校に寄って来なかったの? ナッパさんにはもうオタクが行ってるって言っちゃったよ。」 「だってアンプが重くて、とても学校なんか寄れないよ。」 「すぐ迎えに行って。」 センヌキとクマが玄関で話していると、二階から聞き覚えのあるイヤラシイ声が聞こえた。 「俺が行こうか。」なんと何処で嗅ぎつけたのか、アグリーが風邪を