南相馬市立総合病院・神経内科 小鷹 昌明 2013年2月7日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 http://medg.jp 震災から1年9ヶ月が経過した。2012年12月24日の、いまにも雪の舞い散りそうな寒い日に、私たちは浪江町から双葉町、大熊町へのツアーを敢行した。 最近赴任してきた60歳の在宅診療科医師(大熊町出身)の、「40年振りに浜通りに戻ってきたので、もう一度故郷を見たい」という願いに便乗し、私たちは、この"エリア"に足を踏み入れた。 南相馬市から国道6号線をひたすら南下した。4月の時点で解除された20キロメートルの警戒区域を越え、現在の区域である10キロメートルの地点で車を止 めた。私は線量計とカメラとを両手に握りしめて、その中のすべてを脳裏に焼き付けるつもりで助手席に座っていた。警察官数名によるバリケートの布かれた ゲートをくぐり、私たちはエリア内に