ツイッターフォロワー数 50 万人のつぶやきシローが 大人になった今だからこそ読みたい、なぜか青空が似合う文豪たちの名作文庫を真面目に読書 5000円札の顔、樋口一葉の代表作。吉原の遊郭に棲む14歳の少女の初恋を描いている。主人公の美登利が恋に落ちたのは、やがては大きな寺を継ぐ定めにある跡取り息子・信如。お互いの棲む世界を知りはじめ、徐々に距離を置くふたり。ある日、美登利の家の前で鼻緒を切らした信如。美登利は信如と気づかずに近づくが、彼と分かると声をかけられず、鼻緒となる端切れを彼に投げる。しかし、信如はこれを受け取らずに去って行くのだった。以後、関わることなくお互いの定めへ突き進むふたり。寂しい日々を送る美登利の家の窓に、ある朝、水仙の造花が差さっている。水仙はふたりの思い出の花。この日、信如は仏門へと入ったのだった。ある日を境にして子どもの時間が終わる、忌みじき成長を描いた恋物語である