印刷 震災に吸い寄せられるように、被災地を訪れる人たちがいる。 7月上旬の深夜、仙台市中心部の公園。真っ暗なベンチに一人の男性が座り、宙を見つめていた。荷物は小さなキャリーバッグだけ。仕事を求め、名古屋から来た労働者だった。 44歳、独身。両親は他界し、故郷の大阪に住む兄とは20年以上、連絡をとっていない。派遣の仕事を転々としていたが、昨年末から生活保護を受けている。 そんな彼に、震災はチャンスに映った。がれき処理の仕事に手を挙げ、仙台へ。しかし、実際の仕事は家屋の解体だった。日当7千円。契約途中で辞め、ネットカフェや公園で寝泊まりを始めて5日がたった。 (続きは朝日新聞紙面、朝日新聞デジタルでお読みください) ■ 朝日新聞が昨年末から始めた連載「孤族の国」は、人のつながりが変化し、社会から孤立する人々が急増していることに焦点をあてた。東日本大震災という未曽有の災害が列島
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