マルハナバチが好き。 五月に入って街路のあちこちでピンク色のツツジの花が咲くようになって、日中に脇を通り過ぎるときに「もしかして」といくらか期待して耳を澄ませてみると、ぶんぶらぶんぶらマルハナバチが仕事をしている音が聴こえることがある。 暇なときは立ち止まってじっと観察することにしている。黒い毛でもふもふの親指の爪ぐらいのやつがツツジの周りを忙しく飛び回ってから、「うおーっ」という感じでツツジの花弁の中にぐんぐん入っていって、花の中に生えているめしべやおしべを短い脚で頑張って足がかりにしながら花粉を回収している。そして、背中の黒い毛に点々と黄色い花粉をつけてよじよじ出てくる。この花粉が次にもぐり込んだ花のめしべについて受粉が果たされ、ハチも花もwin-win、という感じになっている。 ハチの働きぶりを見ていると妙に心がいやされる。 彼女たちが集めた花粉は丸められて足の付け根に明るい色のダン