ハーバーマスのこれまでの活動と主著を時系列的に分かりやすく概説した好著。 時代背景や論敵の経歴など、日本人読者が知っておきたい事柄も簡潔に述べてあり、ありがたい。 巻末には略年譜や主要著作ダイジェスト、キーワード解説、読者案内のほか索引まで付属しており、まるでハーバーマス研究のゼミに参加したかのような充実した読後感を得られる。 例えば、間主観性、後期資本主義、コミュニケーション的行為、生活世界の植民地化、討議倫理学、普遍的語用論…などのハーバーマス用語を知らない、知りたい人たちに是非ともおすすめできる。