【第0回】短編小説の集いのお知らせと募集要項 - Novel Cluster 's on the Star! * ( 4,999 / 5,000字, 初心者枠) * カムタナクニには爆ぜりんごという種類のりんごがある。なんだかぶっそうな名前だけれど、そんなに危ないものじゃあない。ムビの子であろうとカエルの子であろうと、カムタナクニに住むたいていの子どもは爆ぜりんごが大好きだ。ナイフでさくさく切って、しゃくりとかじって頬張った瞬間、爆ぜりんごはかすかにぱちぱちと爆ぜる。前歯で、奥歯で、爆ぜりんごを噛むたびに、りんごの果肉が弾ける心地よい感覚と爽やかなりんごの甘味が口の中で混ざり合う。それが爆ぜりんごの人気の秘密だ。アマガエルの夏緑(なつみどり)も、むろん爆ぜりんごが大好きだ。 さて、爆ぜりんごはなぜ爆ぜるのだろうか。夏緑は、幼なじみのユンデと一緒に、ユンデのおじいさんからその理由を習ったこと