夏休みもすっかり終わってしまったところで納涼合宿の総評です。 〇自分が民話の世界に興味を持ったのは昔流行っていた「トイレの花子さん」などからで、それが地域や年代によって話の内容が変わるというのが非常に面白かったから今もこうやっているわけです。 〇今回の作品はそれぞれに「怖いもの」を持ち寄ると言うより、どう描くと怖くなるかを考えながら書かれた作品が多いと感じました。怖さと言うのは演出で相当に変わってくるのです。 そして恐怖の演出には引き算が大事で、同じ情景でも「髪の長くて白い着物を着た妙齢の女性が髪を振り乱して襲い掛かってきた」と書くより「白いものが動いた。髪をふり乱した女だ」と書いたほうが臨場感が出る。怖い雰囲気を伝えようとするあまり作者が情景を細かく書きすぎても読者の想像の余地が引き出せない。恐怖を伝えるところの難しいところだ。 〇今回の感想は語り手が誰かという点を中心に作品を見ていきま
