ときどき、ずっと優しい笑顔を浮かべながらプレイしてしまうゲームがある。例えば『ゼルダの伝説 夢をみる島』はそんなゲームだったのだが、『ジラフとアンニカ』も僕にとってはそんなゲームになった。簡単に言えば、僕はこのゲームに恋してしまった。 本作は国産のインディーゲームで、猫耳少女のアンニカとしてスピカ島という舞台を冒険するアクションアドベンチャーゲームだ。このクオリティーの3D環境を自由に歩き回れる日本のインディーゲームは珍しく、メトロイドヴァニア(探索型横スクロール)のようにどんどん広がる箱庭のデザインも極めてタイトに練られている。決して広いマップではないし、島の人口密度も低い。住民は10名程度だし、建物は住民の数よりもさらに少ない。 だが、ゲームとしてみたときに、むしろ密度の濃いマップとなっている。調べられるオブジェクトは豊富にあるし、インタラクションも多い。ゲームの冒頭でベンチを見つけて