早川書房「ミステリが読みたい!」、文藝春秋「週刊文春ミステリーランキング」、宝島社「このミステリーがすごい!」と年末の風物詩である各社のミステリーランキングが出そろった。2020年は今年米寿を迎えた辻真先『たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説』が各種ランキングで1位となり3冠を達成。 各社どんな作品が評価されやすいのかには傾向があるにもかかわらずこうも重なったのは、今村昌弘『屍人荘の殺人』が「このミステリーがすごい!2018年度版」「週刊文春ミステリーベスト10」「2018 本格ミステリ・ベスト10」において第1位を獲得して以来3年ぶりのことだ。 ではこの作品はどんな話なのか。 ■あらすじ タイトルどおり舞台は昭和24年。終戦から4年後の日本の名古屋の高校の推理小説研究会・映画研究会の面々が、修学旅行中に密室殺人、次いで撮影中にバラバラ殺人に遭遇。 はたしてその殺害方法は? 犯人は誰