地道にオタクとして経験値を積んでいくと不意にまるで福音かのように報われる瞬間があるというのが持論なのだが、舞台『ダブル』はまさにこれにあたる現場だった。 紀伊國屋ホールでつかこうへい作品を観続けてきたこと、『ダブル』を読み続けてきたこと、ブログを書き続けたこと、どれもこの瞬間のためにやってきたわけではないけど続けてきたことの「ご褒美」みたいな時間を、親の顔より見ているつかさんの写真と『ダブル』の絵が並べて飾られたロビーを抜けていつもの客席に座ってから終演するまでの約2時間20分の間過ごした。受け取れるものが濃密すぎてとてもこんな短い時間に収まるはずのなかった楽しくて愛おしい時間だった。 舞台『ダブル』公演時 紀伊國屋ホールロビー 初めて『ダブル』について書いたのが『初級革命講座飛龍伝』から読み解く漫画『ダブル』 - 感想文としては満点。 執筆当時までのつかこうへい作品、特に『初級革命講座